首長随想
2026年2・3月号

「阿寺ブルー」を次世代へ受け継ぐ

大桑村には、木曽川の支流で阿寺国有林内を流れる阿寺渓谷があります。この渓谷は全長15kmにわたるエメラルドグリーンの清流で、「阿寺ブルー」として知られています。近年、テレビや雑誌に取り上げられ、SNSでの拡散も相まって、全国各地から年間約6万人が訪れる絶景スポットとなりました。また、阿寺渓谷は平成28年4月に認定された日本遺産「木曽路はすべて山の中 ~山を守り山に生きる~」の構成文化財でもあります。

大桑村自体はあまり知られていないかもしれませんが、阿寺渓谷やその美しい「阿寺ブルー」を耳にしたことがある方や訪れたことがある方は多いことでしょう。しかし一方で、阿寺渓谷は観光地として整備された場所ではなく、自然のありのままの姿を残しています。そのため、渓谷内の林道は狭く駐車スペースも限られています。その結果、来訪者が増加するにつれて車両による路上駐車が発生し、交通渋滞が生じる事態となりました。特に夏季には渓谷周辺で身動きが取れない状況が頻発し、その影響は地域住民の日常生活にも及び、オーバーツーリズム状態が問題視されました。さらに、一部のマナーを守らない来訪者によって、バーベキュー後の生ごみや空き缶などが不法投棄され、そのごみを目当てにクマやサル、カラス、スズメバチといった野生動物が出没する環境問題も引き起こされました。

大桑村村長 坂家重吉

この対策として、村では平成30年度から夏季期間中のマイカー規制とシャトルバスの運行に取り組んでいます。また、令和3年度には「阿寺渓谷における自然環境の保全に関する条例」を制定し、バーベキューやたき火、ごみ投棄、花火を禁止事項としました。その成果として、マナーを守りながら阿寺渓谷を散策したり水遊びを楽しむ人々が年々増えていると感じています。

さらに、令和5年度からは車両規制業務を村主導から民間事業者による施行へと移行しました。これにより、有料駐車場の確保や電動自転車レンタル、飲食と休憩所の提供など、民間事業者ならではの新たなサービス提供が始まっています。

今後もこの美しい「阿寺ブルー」を次世代へ受け継ぐため、地元自治体として民間事業者や住民と協力しながら自然環境保全活動を推進していく所存です。最後になりますが、高級腕時計グランドセイコーにSLGA025という商品があります。この時計は阿寺渓谷の美しい「阿寺ブルー」を表現したものとのことですので、お金に余裕のある方にはぜひお勧めしたいと思います。