信州自治

首長随想
2026年6・7月号

「三ガク都」のシンカに挑み続ける

松本市は、長野県のほぼ中央から西部に位置し、北アルプスの三千メートル級の山々から松本平へと連なる、変化に富んだ地勢のもとにあります。こうした豊かな自然環境は、人々の暮らしの基盤であると同時に、文化や学びを育む土壌となってきました。自然とともに生きる中で育まれてきた価値観を象徴する言葉が、「三ガク都」です。

日本アルプスの雄大な自然に象徴される「岳」、セイジ・オザワ 松本フェスティバルに代表される文化芸術の「楽」、そして古くから学問を尊ぶ風土に支えられた「学」。これらはいずれも、今なおシンカを続ける、市民の誇りです。

「基本構想2030」の折り返しに当たる今年度は、社会情勢の変化を踏まえ、三ガク都に象徴される松本らしさを、さらにシンカさせていく重要な節目の年です。デフレからインフレへの転換という時代の変化の中で、伝統と革新が共存するまちの魅力に一層磨きをかけるとともに、少子化の進行や東京一極集中といった難題に正面から向き合い、将来にわたって活力ある中枢都市であり続けるための社会的・経済的基盤を構築していきます。

松本市長 臥雲義尚

こうした方針の下に、基本構想に掲げた市民と行政が共に取り組む五つの行動目標のうち、「いどむ」に焦点を当て、「シン人口定常化」「学都価値創造」「中枢都市機能」「産業創発」「グリーン・デジタル」の五つを挑戦の柱として掲げています。

特に「中枢都市機能」については、「えきまえエリアビジョン」「松本駅周辺交通ターミナル機能強化構想」「景観デザインコード」を三位一体の構想として策定を進め、松本駅周辺から国宝松本城までの「えきしろ空間」の再活性に向けた取組みを一層加速させていきます。あわせて、若い世代が家庭を築く希望を実現できるよう、必要な政策を全庁で推進するとともに、地域の核となる施設への集約化や多機能化を見据えた公共施設のマネジメントを進めていきます。

このまちに暮らし集う一人ひとりが、ありのままの自分を大切にしていくこと。そして、その中で豊かさと幸せを実感できること。その豊かさと幸せを次の世代へ確実につないでいくこと。そのために、私たちは挑戦を続けていきます。